「幸せすぎ~」
そう言って声を震わせて涙する綾乃を微笑みながら抱き寄せる悟。

「まだまだこれからだよ。俺たち。まだまだこれからだ。」
「そうだよね」
今が一番じゃない。

これから先に幸せな未来が待っている。

そう実感しながら、綾乃は悟に「ありがとう」と告げた。

「俺のほうこそ。ありがとう。」

この日々に感謝しながら、あたりまえじゃない奇跡の連続を、見逃さないように生きて行こう。

過去のいろいろな経験があったからこそ、そう思える。
悲しい過去もあった。

だからこそ、どんな些細なことでも感謝する気持ちを大切にしようと悟と綾乃は言葉にしなくても同じ想いでいた。