運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

ぐずってもいない赤ちゃん。
それでも抱っこしてこの至福の時間を味わいたい。

悟は綾乃が目を覚ますまでずっと抱っこしながら、赤ちゃんを見つめ続けた。

「おはよう」
後ろから聞こえた綾乃の声に悟はゆっくりと振り返る。
「おはよう」
眠っている赤ちゃんに気を付けて、ささやくように言う悟。

綾乃は悟の大きな腕の中で眠る赤ちゃんを見て、微笑む。
自然と涙が溢れた。

「うれしすぎて、幸せすぎて、泣ける。」
「俺もわかる」
綾乃の涙につられるように悟の瞳からも涙が溢れる。