「綾乃の特等席だからな。」
「ずっと?」
「ずっとだよ。でも隣に子供用のいすも用意しないとな。」
「楽しみだね。」

失った命を思い出すと心が痛むこともある。
忘れることは決してない。

新しい命がすべてとは思わない。
失った命の代わりとも思わない。

でも、失った命を忘れないこと。
そして、失った命の分も大切に毎日生きることを悟と綾乃は誓いあった。


「一人じゃない」
「ん?」