運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

綾乃を見つめながら、悟は心の中で謝り続けた。

その時綾乃の体がぐらりと揺れた。

すぐに手を伸ばし支える悟。

悟の伸ばした手につかまった綾乃は悟の方を見た。

「私たちの赤ちゃん・・・お願いしてたの・・・」
うつろな瞳のまま悟を見る綾乃。

「だって・・・ひとりになっちゃうから。」
綾乃がこの場所に来たがった理由を知った悟。

我慢していたものが一気にあふれ出す。

綾乃を苦しめてしまった自分への悔しさも一緒に、涙になりあふれ出した。