運命が変えた一夜 ～年上シェフの甘い溺愛～

綾乃に身寄りがないことやお腹の子の父親だという悟に医師は綾乃の病状を伝えてくれた。

「妊娠12週を過ぎていますので、お腹の子は死産という形になります。」
産婦人科の医師は胎児と言っていたが、妊娠12週を過ぎると通常は死産となる。
悟は医師からその事実を聞かされていた。

「今薄井さんは意識がない状態ですが、おそらく子宮の収縮は少し前から起きていたものと思われます。」
「え？それは痛くないんですか？」
「痛みを伴っていたと思いますよ？こちらに搬送されてすぐにモニターをつけましたが、その時の測定からして、痛みは強かったと思います。」
医師の言葉に綾乃が荷造りをしている時、きっとその予兆はあったのに気づけなかった自分を責める悟。

でも綾乃に居たそうな様子はなかった。
もしかして・・・嫌な予感が頭をよぎる。