運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

ダメだ。
悟は大きく深呼吸をしてから、綾乃の体をそっと抱き上げて、布団をかけた。

何をしても目を覚まさない綾乃の髪をかき上げ、頭を撫でる。

これから背負っていく運命に自分たちは立ち向かうことができるのだろうか。

不安を拭いきれないまま、それでも綾乃を支えていく決意は変わらない。


ぐっすりと眠っている綾乃のお腹にそっと触れた。
もしも奇跡が起きるなら、どうかもう一度その鼓動を聞かせてほしい。

今日の出来事が夢であってほしい。
そう願いながら、悟はギュッと目を閉じ願った。