運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

「少し出て来た?」
綾乃のお腹を撫でながら悟が微笑む。
「まだ服がきついことはないけど、出てきたような気がする。」
「いやーかわいいな。すでにかわいい。」
きっと悟は我が子を溺愛するだろう。

「どっちかな?」
お腹の子の話をする余裕が出て来た綾乃に、心が少しずつ安定してきていることを感じながら悟が返事をする。
「男なら公園でサッカーだろ?女の子だったら一緒におままごとする。」
「どっちがいい?」
「どっちでもいいに決まってんだろ?どっちだってかわいいし、溺愛する自信がある。むしろ、かわいすぎて俺壊れそうで怖いな。」
「壊れるって」
ふっと笑う綾乃に悟は真剣な顔で返す。

「真剣に悩んでんだぞ?今だって綾乃から離れてレストランに行く時、連れて行きたいって思ってんのに、この子が生まれたらその気持ちが2倍になるんだぞ?定休日増やそうかな。」
真剣な顔のまま考えている悟に、綾乃は声をあげて笑った。