運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

目を覚ますとそこには瞳を開けて自分を見つめている悟がいた。

その瞳の下にひろがるクマに、眠れていなかったことがわかる。

「おはよう」
疲れて、眠いはずなのに、悟はいつものように穏やかな優しい微笑みを綾乃に向ける。
「おはよう。」
綾乃はどうしたらいいかわからないことが多すぎて、悟から視線をそらす。

「体調は?何か食べられそう?」
悟が一晩中隣に居て綾乃を心配してくれていたことが分かる。

「大丈夫。」
そう言いながら、痛みに似た耳鳴りに眉間に少ししわを寄せる綾乃。
「痛む?」
「・・・少し・・・」
綾乃の耳に大きな手を触れて、心配そうに顔を覗き込む悟。