運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

私が何か悪いことでもしたの?
自問自答しながら歩いても、容赦なく雪は降り続き、髪から雫が落ちてくる。
きっと化粧もはげはげだ。

おしゃれ重視のコートは全然この寒さをしのげない。

コートにすら怒りを感じてしまうのは、きっと一日中ろくなものを食べていなくて空腹だからだろう・・・。

【ピキッ!】嘘でしょ~!?

まさかの再び足元から聞こえた物音に、視線を移すと同時に、綾乃は雪の積もった道路に転んでひざをついた。思い切り打った膝が激痛だ。大人になってからこんなに派手に転んだことなんてなかった。

ギュッとヒールの先を握り閉めていた手も、指の関節を見事にすりむいた。

最悪・・・・