運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

綾乃は座り込んだまま、自分のお腹を抱きしめながら声をあげて泣き始める。

どうしたらいいか自分でもわからない。

命が芽生えたことを素直に喜べない自分。
悟との赤ちゃんだうれしくないわけない。

悟との未来はきっと幸せだと思う自分。
でも、違う未来があったとしたら一人でこの子を産み育てる自信がない。


頼れる両親もいない。

甘えられる友達もいない。


不安定な体調と比例するように綾乃の心はバランスを崩していた。