運命が変えた一夜 ～年上シェフの甘い溺愛～

自分が悟を嫌いになることはなくても、悟はもしかしたら・・・。

綾乃は自分で思っていた以上に、過去の恋愛で受けた自分の心の傷の大きさを知り、大きな不安に包まれていた。

温かく大きな悟の手に握られている自分の右手に全神経を集中させる。

大丈夫と自分に言い聞かせながら、消せない不安から逃げ出したくてもう一度目を閉じた。




アパートに着くと悟は再び綾乃の体を慎重に抱き上げて自分の部屋に連れて行った。

玄関を上がると綾乃を自分の寝室へ連れて行き、ベッドに慎重に寝かせる。

「ちょっと待ってて。」
そう言って寝室を出ると、キッチンからミネラルウォーターを持ち戻ってきた。