運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

地元ではよく降っていた雪。
でも上京してからというもの、なかなか見ることができなくなっている雪。

空を見上げると、酷使していた目に冷たく雪があたった。

気持ちいい。

でも寒い。

綾乃は終電の時間も考えながら、着ているコートの首元をギュッと持ち上げて首をすくめ駅まで歩き始めた。

何とか間に合った終電。
金曜の夜の終電には、仕事で疲れ切った表情のサラリーマンや、終電ギリギリまで金曜の夜を謳歌していたであろう、ほろ酔い状態の人たちがたくさん乗っている。

私はいったいどう見えるのだろうか・・・。
そんなことを考えながら綾乃は窓の外を見た。