運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

『耳鳴りは?』
「少し」
『綾乃の少しはかなりだな。頭痛は?』
「少-し」
『じゃあかなーりだな』
「ふふっ」
こんな会話でリラックスした綾乃は自分のデスクを片付けて、会社を出た。

会社の隣にあるコンビニの駐車場には悟のワゴン車が停められているのがすぐに見える。

急いでワゴン車の方へ向かうと、運転席から悟が出てくる。

ラフなシャツが今日もよく似あっている。

さりげない動作にもどきどきするようになった綾乃。
駆け出すと「転ぶぞ」と悟は笑いながら綾乃の方に近づいた。