運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

その日も綾乃の仕事は忙しかった。
どんどんと積み重ねられていく書類。

雪崩が起きそうなデスクの中で綾乃は戦っていた。

主任という立場になってから一番多い後輩を抱えている。
春になり新入社員が今期は会社の中でも一番多く配属された。

春は新規のクライアントも増え、連日の打ち合わせ、システム設計、プログラマーとの打ち合わせ、システム異常とシステム改善と時間が何時間あても足りないくらいだ。

「薄井さん、○○の新システムの設計図、部長が欲しいそうです。」
「了解しました。ありがとうございます。」
「薄井さん、〇〇〇のシステム異常、改善されないそうです。」
「はい。わかりました。」
鳴りやまない電話。稼ぎ頭である綾乃への連絡は7割を占めている。

外回りをしている余裕が最近は全くない。