運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

夜はレストランでおいしい温かなものが食べられると張り切っていただけに、残念すぎると思いながら、帰り支度を済ませてフロアを出た。

エレベーターに乗り込み腕時計を見るとすでにレストランの閉店時間。
「はぁ~」
誰もいないエレベーターで大きくため息をついて天井を見上げる。


むなしい・・・


今日までがんばった一週間は何だったのだろう・・・。泣きたい・・・泣かないけど・・・。

「うそでしょ・・・」
会社から一歩出て、綾乃は思わず立ち止まった。

空からは無数の白い・・・雪・・・
足元にも都会には珍しく積もり始めている。