片づけは苦手だという悟に代わって片づけをすることが増えている綾乃。
悟が料理をしている横で片づけをしたり、いろいろと準備をする。

「今日は玄米。」
「おいしそう」
「おにぎりも玄米で作ってあるから、お楽しみに。」
「いつもありがとう」
「どういたしまして」
毎日おにぎりに添えられているお品書きを綾乃は大切にとってある。
日に日に宝物が増えるデスクの引き出しをみながら、力をもらっている。

「こうやって隣に並んで誰かとキッチンに立つのって幸せなんだな」
ふと漏らした悟の言葉に綾乃が視線を向ける。
「俺、ずっと料理やってきたけど、同僚以外とキッチンに立つのって初めてなんだ。綾乃が。」
「そう?邪魔じゃない?」
「んなわけあるか。むしろずっと隣に置いときたいのに。」
そう言って笑う悟。それでも手は動いていてかなり手際よく料理を盛りつけている。