運命が変えた一夜 ～年上シェフの甘い溺愛～

「だから迷惑なんて思わないで、どんどん甘えて頼ってほしい。俺、はじめてなんだ、こんなに誰かを想うの。料理よりも大切と思える人。こんな人に出会えるなんて思っても見なかった。」
まっすぐな言葉がうれしい。

悟はいつだってまっすぐな言葉をくれるのに、自分は何をしているのだろうかと綾乃は後悔した。
「人間一人じゃ生きていけないんだ。誰かに支えらえれて、その分支えて生きてくのが当たり前なんだよ。それが人間なんだから。綾乃は一人で頑張りすぎなんだよ。もっと上手に甘えられるようにならないとな」
微笑みながら綾乃の髪を撫でる悟。

「いいこと思いついた。ちょっと、抱っこしていい？」
悟は綾乃の返事を待たずに、綾乃の体を毛布でぐるぐるに巻き抱きあげた。

「目、覚めちゃっただろ？ちょっとデートしよう。」
そう言って悟が連れて行ったのは、リビングの窓から出られるベランダだった。