運命が変えた一夜 ～年上シェフの甘い溺愛～

「眠れそう？」
「・・・多分」
「どうした？」
寝室から出て行こうとする悟の背中を見ていると綾乃は少し心細く感じた。

「すみません・・・迷惑ばかりかけて・・・本当に。」
「なんで謝るんだよ。俺は謝ってほしくない。」
「・・・でも心苦しすぎて・・」
うつむく綾乃に、悟は近づき、ベッドに座る。

「どうした？なんか嫌な夢でも見た？」
言葉にしていなくても悟には自然とわかってしまうことが多い。

「どうして、なんでもわかっちゃうんですか？なんだか・・・ずっと前から私を知っているかのように・・・わかっちゃんのが不思議で。」
「こうして話せるようになったのも最近だけどさ、俺はもっと前から君を想ってたよ？こうして関わり合えることがうれしいんだ。距離が縮んだことが夢のように思えるんだよ。」
「・・・」
「あっ今の発言ってキモイ？」
綾乃は自分の気持ちをほぐそうとしてくれている悟の気持ちが伝わり微笑む。