運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

「食べる前に、一瞬だけ」
悟の言葉に綾乃が首をかしげると、すっと悟が近づき綾乃の手に自分の手をそっと重ねて、キスをした。
「ごめん。我慢できなかった。」
突然のキスに放心状態の綾乃。悟はふっと笑ってから「食べて」と触れていた手を離した。

耳まで赤くなる綾乃に微笑みながら、悟も綾乃を見つめて微笑む。

綾乃は照れ隠しをしながら、口にリゾットを運んだ。

「おいしい!」
ぱっと顔が明るくなり、悟を見る綾乃に悟も嬉しそうに笑う。

「よかった。」
「本当においしい。いつだって、悟さんの作ってくれる料理はあったかくておいしい。」
リゾットを見つめながら言う綾乃。

何度悟の料理に助けられてきただろうか。支えられてきただろうかとしんみりとする。