運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

綾乃の部屋の前で立ち止まった悟。
「あー離したくない」
ともう一度綾乃をギュッと抱きしめたあとに、綾乃をそっとおろす。

「頑張りすぎんなよ」
「・・・はい・・」
綾乃の体を抱きしめながら耳元でささやく。

「いつでも店に来い。待ってる。うちに来てもいいんだぞ?」
「・・・うん」
頼れる場所がある。
待ってくれる人がいる。

悟の存在だけで綾乃は頑張れる気がした。

「あー心配だ。」
「・・・メールします」
「敬語禁止にするぞ?」
「メールする」
「メールだけじゃだめだ。電話も。」
「うん」