運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

夢中で口づけていた悟は、綾乃の息が上がっていることに気が付き唇を離した。

何をがっついてるんだと少し恥ずかしくなる。

「ごめん。がっつきすぎた。」
素直に謝ると綾乃はふっと声をあげて笑った。

「帰ろうか。明日も仕事なんだろ?」
悟の言葉に綾乃は残念な気持ちに、少しうつむく。

「無理はさせたくないんだ。」
綾乃の頭をなでながら、本当はもっと一緒にいたいと思う悟。
悟は運転席から降りると助手席の方にまわり、扉を開ける。

綾乃の手をひいて立たせると、手をギュッと握った。

「大丈夫?」
「・・はい・・・」
「敬語」
「・・・うん」
明らかに元気のない綾乃に、愛おしさがこみ上げて、悟はすっと抱き上げた。