藍先輩の危険な溺愛レッスン。

「それとも、こういうこと結構好き?」


「ち、違う」


でも抱きしめられたらなぜだかますます力が入らなくて、全身がフニャフニャになっちゃう。


頭を撫でる大きな手が、心地よくてとうとう目をつぶってしまった。


無抵抗、もう降参寸前だ。


どうしょう。あったかくて気持ちがフワフワする。


ずっと……このままでもいいかもって思っちゃう。


だって、これは練習なんだし。まさかこれ以上のことをいくら彼だってしてくるわけない。


なんて、甘く見ていたら。


耳もとに息がかかって、トクンと胸が跳ねる。


「好きだ」


「は、はい」


あれ?まだ演技が続いてるんだ。


彼の方を見たら思っていたよりもずっと真剣な顔。


こちらを真っ直ぐにとらえる瞳に吸い寄せられてしまいそう。


自分の意思ではどうにも出来ないような抗えない感覚に陥いる。


「俺のものにしていい?」


凄い質問だな。でもまあ演技だよね。


「はい」


抵抗するの疲れちゃった。
それ以前にもう思考回路が焼き切れちゃった。

「ほんとにいいの?」


「はい」


もう、何も考えたくないの。