藍先輩の危険な溺愛レッスン。

いや、今そんなことはどうだっていい。


彼の顔が近くにあり、クラクラと目眩がしそうだ。


「実践練習はじめようか」


フッと笑う彼の瞳が妖しく光る。


「ええっ。そんないきなり」


先輩の長い指が頬を撫でる。


そして顎をクイッと上向きにされた。


「愛菜ちゃん、俺の気持ちわかってる?」


おおっと、これは……。


もう容赦なくレッスンが始まっているみたい。


そっか、こんなことされたら私もちゃんと強く抵抗しなきゃいけないんだ。


またダメ出しされないように、眉間に皺をよせてギッと睨んでみた。


「わ、わかりません。やめてください」


「こんなに苦しいのに知らないフリするんだ?」


彼はわざわざ、切なそうな表情まで作るものだからドキッとした。


なかなか本格的だ。


ブンブン首を振って彼の胸に両手をついて抵抗する。