「そーだそーだ、寺田、暴力反対」


「寺田ゴリラ、こいつ女じゃねーよ。愛菜ちゃんを見習っておしとやかになれ」


「なんだとー」


瑠夏ちゃんは眉間に皺を寄せて彼らを睨む。


私を庇うためにいっつも戦ってくれている。


瑠夏ちゃんは誰よりも優しい女の子だから。


私のためにしょっちゅう男子達に対して目くじらをたてて怒ってくれる。


そのせいで、変なあだ名をつけられたり恐れられたり。


損な役回りばっかり背負わせてしまっている気がしてて申し訳ない。


全部私のせい。


私が弱いからいけないんだ。


(男が怖くても逃げないでちゃんと自分の力で、対抗できるようにしないと。)


藍先輩に言われたことをこの時なぜだか思い出していた。


そんなこと言われなくてもわかってる。