そう言って、つとめて明るく笑った。


でも実は、そのボディーガードの先輩がちょっとクセのある人でね……、などとは言えない。


「え?ボディーガードなんてすごいね。誰なの?」


瑠夏ちゃんは耳慣れない言葉に目を丸くする。


「えっと、3年の先輩で。お母さんがお願いしてくれたの」


「3年にそんな知り合いなんていたの?」


「うん、お母さんのお店の常連さんでね。私も少し前から話すようになって」


「愛菜のお母さんのお店?お弁当屋さんの?」


「うん」


「そうなんだ、でもボディーガードなんて凄いね。なんだかセレブみたい」


「ちゃんと報酬は払う約束なの」


無料で先輩をこき使うわけにはいかないのでお母さんと相談して、きちんとお礼はすることになっている。