「どうしようかな、こんなにたくさん。俺、身体がもつかな」


先輩の軽薄な返事にギョッとして転びそうになった。


だけどその女子達は大喜び。


「キャー」
「もう藍先輩ったらー」
「好きー」


「……」


もし振り返ったら理解不能なカオス空間が広がっていそう。


やっぱりここに長居は無用。


先輩、あとは任せます。


「愛菜ちゃん、勉強頑張れよ」


先輩の軽い声が背中でしたけど、もう振り返らなかった。


いまさらだけど、他人のフリがしたい……。


それにしてもさっき私……。


先輩のことが気になる、だなんて意味深なことを言ってしまった。


どうしてあんなこと言っちゃったんだろう。


自分でもよくわからないよ。