「じゃあお母さん、行ってくるね」


「藍くんと一緒にいくんでしょ?」


「うん、先輩に行き帰りはちゃんと送ってもらえるから大丈夫だよ」


「それなら安心ね。いってらっしゃい、下駄気を付けてね」


ウキウキとはしゃぎながら下駄を履いた。


歩きにくいけど、気持ちが高ぶっていたからあんまり気にならない。


「いってきます」


「いってらっしゃい」


母や美紀ちゃんに見送られてお店を出た。



お店の上にある先輩のマンションの一室にたどり着くとインターホンを鳴らした。


「はーい」


中から、彼の声がしてドアが開く。


彼は勉強中だったのかメガネをかけていてより大人っぽく見えた。


うわっ、メガネ似合う。カッコいい。


「先輩」


「愛菜ちゃん?」


私の名前を呼んだきりその場で固まっている藍先輩。