彼の声色が変わったのでおずおずと返事をした。


「……はい」


「……」


そこで急に黙ってしまったので恐る恐る振り返った。


男子も一緒だって言ったから、もしかしたら先輩はいい気はしないかもしれない。


反対されたらどうしょう。


そう思って心配していたけど。


彼はしばらく黙っていた後、いつものように柔らかく笑いかけてくれた。


「そういう集まりに行くの珍しいね。
もう男が苦手じゃなくなった?」


「あ、まだ完全には。
でも以前よりは少しマシになったと思います」


「へぇそうなんだ」


「きっと先輩のレッスンのおかげです」


まだ自信満々って程ではないけど、彼と知り合ってから確実に男子に慣れてきたような気がする。


「俺は何も……。愛菜ちゃんが頑張ったからだよ」


そこで彼は視線を落とした。


「そうか、でも愛菜ちゃんの浴衣姿、俺も見たかったな」