「そんなことよりさっきの話覚えてますか?」


「うんストーカーしてくるやつのことだろ?今日はいないみたいだね」


彼はあたりを見まわす。


確かに今日はそれらしき人の姿はない。


「どんな奴?あんまりややこしい相手じゃなきゃいいんだけど」


彼はあからさまに面倒くさいって顔をする。


だけど今は先輩だけが頼りだ。


なんとか先輩にお願いしてストーカー男子を追い払ってもらいたい。


「運動部の人みたいで毎朝学校の周りを走っているみたいなんです」


「ふうん、で告られたの?」


「はい、でも断ったつもりなんですが」


「ほんとにちゃんと断れた?」


先輩は眉間に皺をよせてため息をつく。


「たぶん……」


「ちゃんと断れていなさそうだな」


ギクッ。