藍先輩の危険な溺愛レッスン。

「嫌、触らないで。それよりそんなの嘘です、誰から聞いたかも言えないんでしょ?だったら嘘です」


「愛菜ちゃん、そんなに藍先輩が好きなの?きっと傷つくだけだよ、俺だったら絶対に愛菜ちゃんを泣かせないよ」


そう言って抱き寄せられた。


だけど何も感じなかった。


恐怖すらも。


それよりも怒りの方が先にきて止まらない。


ただただ、夢中で反論したかった。


「藍先輩は、そんな人じゃないです。
確かにまだあんまりよく知らないけど彼は私を守ってくれて、優しくて、いろんなことを教えてくれた」


「愛菜ちゃん、俺の方がずっと君を好きなんだ」


青ざめた顔をした権田さんは必死でうったえるけど、私の心には届かない。


気が付けばびっくりするほど冷たい声で返事をしていた。


「でも私は藍先輩が好き」


「……」


権田さんは私の顔を覗き込んで驚いているみたいだった。