「眠いしダルい。愛菜ちゃんと一緒に登校するためにいつもより早く起きたんだよ。
ちょっとは俺をねぎらってよ」


しまいにはこんな駄々をこねてくる。


呆れた。。


「もー、少しだけですからね」


「うん、優しいんだね」


仕方がないから彼の背中を押してあげたけど、しばらく歩いていたら周りを歩く生徒達にクスクス笑われだした。


は、恥ずかしい。


なにやってるんだろ、私。


「どうした?早く押してよ」


「やっぱり引っ張るほうにします」


そう言って腕を掴んで先輩を引っ張るように歩いた。


先輩はニヤニヤして目を細めながらついてくる。


はあ、こんなことなら1人で登校すればよかったかも。


6月の日差しは強くて坂道を上がっていると、すぐに額に汗がにじんできた。