「もしかして愛菜ちゃん、このままキスしてほしかったのかな?」


「……」


な、な、なんてこと。


「あれ?愛菜ちゃん。おーい愛菜ちゃん」


クルッと回れ右して両手で顔を隠す。


顔から火が出そうなくらい熱い。


うえーん、ドキドキしすぎて身体中が熱くて息も苦しい。


「うそだろ、今のでもうアウト?そんなに純粋で大丈夫かな」


「先輩のいじわる」


「マジか……前途多難だな」


その後、先輩はブツブツ1人でつぶやいて何か考え事をしてるみたいだった。


彼はこれから毎日、朝の登校に付き添って助けてくれる約束をしてるんだ。


その上、私に男の人に慣れるためのレッスンをしてくれるらしい。


私だって確かに今のままでいいとは思っていない。


だから彼を信じて、頑張ってみようかな。


だけど、初日から私がダメダメすぎて呆れられたみたい。


一体この先、どうなっちゃうんだろうな。


まったく予想もつかないよ。