「ン……ハアッ」


「愛菜ちゃんの心臓の音凄いね」


「やだ、言わないで」


バクバクと壊れそうなくらいの私の鼓動に気づかれている。


恥ずかしい、私ばっかり。


「身体もこんなに熱くなってる。これじゃあ手加減なんていらないかなって気がしてくる」


「どうして?」


「愛菜ちゃん気づいてないの?さっきから俺の背中をきつく掴んで離さないじゃん。
それにずっと欲しそうな顔してる」


欲しいって何を?
先輩のことを?


「ちがっ、そんな顔してな……」


「わからない?さっきからそうやって俺のことを煽ってるのは愛菜ちゃんの方だよ」


そんな、煽ってるつもりなんてないのに。


でも確かに先輩の背中に腕をまわしていた。


頭がぼんやりしてうまく話せない。
息づかいも乱れてて、恥ずかしい。


「ちがうの。ハアッ。でも身体が熱くて。先輩に触られるだけでこんな。ハアッ」