彼の瞳が余裕なさげにさまよう。


「そんな適当すぎます」


「理由なんてなんだっていい。ただ俺はしたいことしてるだけ」


「えっ?」


何をしたいって言ってるんだろう。


「嫌なら嫌って言わないと最後までしちゃうって言っただろ?」


あざ笑うようにそう言って彼は私の首筋に顔をうずめて唇を押しあてる。


柔らかい感触にたまらず声がでる。


「ひゃ……んんっ」


やだ、私ったら変な声が。


こういう時、先輩は抵抗しなきゃダメだよって教えてくれたけど、これがいつものレッスンなのかどうかよくわからない。


「せんぱ……」


「だから、嫌って言わないと」


「や、じゃない」


「聞こえない」


「いやではないです……けど」


私のバカ、そんなことを言っちゃダメなんだってば。


「……っ」


彼の瞳が大きく見開かれる。


「あ、でも学校でこういうことはよくないと思います」