藍先輩の危険な溺愛レッスン。

迷惑をかけてしまって申し訳なくて、その上情けなくて。


だけど、彼は私のそんな心配を吹き飛ばすようにこう言った。


「今はなにも言わなくていいから、俺に全部任せて」


小さく頷いたら、彼が私をフワリと包みこんでくれた。


あんまりあったかくて、安心したらやっぱり涙がでそう。


「ごめん」


ギュッと私も彼の背中に腕を回した。


どうして先輩が謝るの?


あんなことくらいで、こんなにビクビクしてしまう私が悪いだけなのに。


目をつぶっていたら、そのまま抱き抱えられていた。


彼はゆっくり歩きだす。


そして、そのまま同じ校舎の1階にある保健室へ連れて行ってくれた。


いつのまにか、震えが止まっていたのはきっと彼に包まれていたおかげだと思った。


保健の先生はいなかったので、彼と一緒にソファーに腰をおろした。


それから彼は何も言わずに私の背中を優しくさすってくれた。