藍先輩の危険な溺愛レッスン。

「なんだよー、ケチ。
ちょっとくらい、いいじゃんか」


「おまえばっかいい思いして。たまには俺らにも女子をめぐんでくれよな」


彼らはブツブツと不満を洩らしながらも、しぶしぶ教室へ入っていく。


先輩は教室のドアをピシッと閉めた。


彼は、私に大丈夫?と心配そうに尋ねるからコクッと頷く。


「愛菜ちゃん、顔色がよくないな」


気がつけば右手がプルプル震えていた。


「すみません、ありがとうございます。私達もう戻ります」


黙っている私の代わりに瑠夏ちゃんが先輩にお礼を言ってくれた。


「愛菜、男子が苦手だからびっくりしたんだと思います。
でもしばらくしたら落ち着くと思います」


「うん、でも心配だからそっちの教室まで送っていってもいい?」


「えっ、はい。もちろんです」


瑠夏ちゃんは嬉しそうに声をあげる。


「ごめんな、あいつら悪い奴らじゃないんだけど」