藍先輩の危険な溺愛レッスン。

「う、うん……やっぱり帰ろう瑠夏ちゃん」


どうしょう、もうこれ以上この場にいたくない。


「え？どうして？お弁当渡さなくてもいいの？」


「うんもういいから」


さっきから胸の奥がギュッと絞られるように苦しくて、いますぐここから走って逃げたい気分だった。


お弁当を彼女の見ている前で先輩に渡さないほうがいいような気がした。


だけど、一歩後退りしたら、足の下にフニャッとした感触が。


「いてっ……」


振り返ると背の高い男の人が顔をしかめている。


うわっ、私が足を踏んでしまったんだ。


「ごめんなさい」


慌てて足を引っ込めて謝った。


「いや、大丈夫。ってあれ、君って」


「え？」


目の前の彼は爽やかな笑顔を浮かべている。


ワイルドな感じのイケメンで、キリッとした眉毛にはっきりした目鼻立ち。