藍先輩の危険な溺愛レッスン。

「そしたら男なんて怖くなくなるよ」


彼はそう言ってまたヨシヨシと私の頭を撫でてきた。


完全に子供扱い、ううん赤ちゃん扱いされているような気がする。


でもなぜだか嫌じゃない。

暖かい気持ちになるのはなんでなんだろ。


「さっそく練習しよう」


爽やかな笑顔でそう言われた。


電車の中は少しすいてきたのだけど、先輩は私を壁際に立たせていわゆる壁ドンの体制になった。


練習ってなにをするつもりなんだろう?


「いい?愛菜ちゃん怖い顔で睨み返してみて」


「うっ、そんなのうまくできるかな」


睨み返すなんて全然自信ないよ。


「できるできる」


先輩は軽い口調で促してくる。


「じゃあ始めるよ、これは初歩のレッスンだ」


「レッスンって?」


「もちろん、愛菜ちゃんが男に慣れるためのレッスンだよ。
俺の言うとおりにしていればすぐに結果がでるはずだから」


彼は自信ありげにニコッと笑った。


レッスンなんだ。本格的だな。