藍先輩の危険な溺愛レッスン。

そして彼は肩にかかるくらいの私の髪を一束すくう。


こ、これは……。どう対処するのが正解なんだろ。


距離感がおかしい気もするけど、相手は女子に慣れていそうなイケメン。


きっと彼からしたらこれが普通なんだろう。


だけど、私はあまり免疫がないからどきまぎしてしまう。


じいっと見つめてくる先輩の綺麗な瞳から逃げるように俯いた。


「ほら、それそれ。そのしぐさはよくないな」


呆れたようにため息をつかれた。


へ?なんのことだろう。


先輩は話し方は穏やかで優しい声なんだけど、結構ズバズバ言う人みたいで。


でも彼の見た目の優美さと、物腰の柔らかさのせいか話しやすい。


私にしては珍しく男の人だからってだけで怖いと思えない。


うーん、謎な人だ。


まだ彼のことよく知りもしないのに、私がこんなに普通に話せてる。