「幸せになっていいの?」と聞くあゆに、今更ながら衝撃を受けた。

俺は今までそんな風に自分の人生を考えたことがなかったから。

「当たり前だろ。俺があゆを幸せするんだから。」

その夜、俺達は甘く切ない愛を何度も確かめ合った。

「あゆ、大好きだよ。愛してる。」

そう囁くと、あゆは声にならない吐息で返事をする。
それが俺を更に高く昇らせる。

もう、俺はあゆなしでは生きていけない。

あゆは俺の背中にしがみ付き、何かに耐えているように目を固く閉じている。

「あゆ、俺を見て。あゆは自由になっていいんだよ。」

あゆがそっと目を開けて、俺を見つめる同時に、俺を締め付けた。
俺は、その瞬間、昂っていたもの全てを解放した。

あゆには敵わない。