涼介と暮らし始めて、半年が過ぎた。
12月も半ばになり、冷たく澄んだ空気と年末の慌ただしい雰囲気が街全体を覆っている。

私達の生活は相変わらずだけど、最近、涼介の帰りが遅いことが増えた気がする。

「仕事が忙しくて。」

と涼介は言うと、コンビニで買って来たビールを、私の隣で飲み始める。

「夕食は?」

「食べて来た。」

これ以上は、涼介のプライベートだから聞けない。

ただ、私はこの同居生活も終わりが近いんじゃないかと予感する。

涼介が突然この家にやって来た時から、分かっていたことなのに、この生活がこんなに長く続いて、日常がこんな風に変わるなんて思ってもいなかった。

始まりがあれば終わりがあると、ずっと前から知っていたのに、私は少しの間、それを忘れていた。