好きは閉じ込めて【完】

「ははっ、なにそれ?いいってこと?」


嬉しすぎて言葉が出なくて首が取れそうなくらいうんうんと頷くわたしに彼は綺麗な顔をクシャッと崩して笑っている。


「せんぱいの口から聞きたいんだけど?」


グイッと顔を近づけてそう言ってくるから恥ずかしくなったわたしは迅くんのまねをして安いマフラーに顔を埋める。


そして小さな声で「わたしも迅くんがすきだから、付き合いたい」と言った。


そうすれば珍しく間抜けな声で「へっ?」と言う彼。その驚いてる姿もかっこいいんだけど、どういうことなのほんと。


「え、せんぱいおれのことすきなの?」

「…うん、ほんとはね、ずっとすきだった。先輩と付き合ってた癖にすぐ迅くんのことすきになった軽い女だと思われたくなかったの」

「…まじかよ」

「…引かない?」


小さく呟いて自身の口もとを手で覆い隠す彼にちょっとだけ心配になって恐る恐る聞けば、


「引くわけないじゃん、すきなのに。ねえ、せんぱい。ハグさせて」


平然とそう言ってくる彼にほっと一息つく暇もなく、まだ返事もしていないのにぎゅっと抱きしめられた。


「うわっ」

心臓が飛び出るんじゃないかと思った…

ぴったりとくっついているから迅くんのマフラーがわたしの頬を撫でる。
ああ、やっぱりふわふわだ。

すごくいい匂いするし、今までにないくらい満たされた気持ちになる。