好きは閉じ込めて【完】

「あー、史華さんまじですき」

「っ!」


ぎゅっとわたしを抱きしめたまま彼は耳元でそう言った。

なんだこれ、刺激が強すぎるんですけど。

はっきりと口に出して愛情を伝えてくれる彼に身体が熱くなってくる。
着ているコートやマフラーが邪魔になるくらいには暑い。なんならこの雪のなか下着になっても大丈夫なくらい。嘘だけど。


彼のようにストレートに伝えるのがどうしても恥ずかしいわたしはぎゅっと強く抱きしめ返した。これで伝わればいいな。




お互い何も話さないまましばらく抱き合っていると「史華さん」と名前を呼ばれたので「ん?」と反応する。


ゆっくりと身体を離す彼に寂しさを感じつつ彼の顔を見れば、「キスしたいんだけど」と落ち着いた声色と表情で言われた。


「え?!キッス?!」

「うん、キスね。あと声でかいよ」


びっくりして驚くと少し呆れた顔で冷静につっこまれてしまったので慌てて両手で口を覆う。

ほんとにどっちが年下で年上かわかんないよね。


「…え?するんですか?」

「うん、したい。だから史華さんからしてよ」

「へっ?なんでわたしから?!」

「だって史華さんのほうが年上だよ。はーやーく」

「こういうときだけ年下ぶってずるくない?!」

「しょうがないじゃん、おれ年下だから。ほーら」



動揺しているわたしと目線を合わせてキスしやすいようにしてくれているであろう迅くんは図々しく急かしてくる。