ネオン輝く繁華街

「田中、本当に悠里はココに
いるのか?」

「はい報告では
そうなっております。」

キラキラ光る看板には
スターライトフラワー
地下への階段を、降りて行くと
会員制とある。

「大丈夫です、会員
登録は、してあります。」

ドアを、開け中に入るとキチンと
髪は、ツーブロック韓国男子ふうな
黒服が出迎える。

「加納です。」
田中が口をきると

「お待ち致しておりました。」

席へと案内され若い綺麗な
女の子達がやって来た。

「いらっしゃいませ。」

桜祐も遊びなれた感じで慣れては
いるが悠里の務め先だと思うと
緊張する。


「👂田中、悠里の源氏名は、
何だ?」

「👂確か桜子らしいです。」

「さくらこ?」

「ハイ」

生真面目な(-⊡_⊡)は、飲みに来ても
生真面目なままな会話を、していた。



黒服が桜子を、連れてきた。

「・・・桜祐」
桜子の目がバッと開いた。

桜祐がゆっくりと顔をあげた。

桜子は、桜祐の顔を見たが
仕事、仕事と言い聞かせ自我を
保った。

「い、いらいらっしゃいませ。」


「久しぶり桜子‼」

「きゃ━桜子さんのお知り合い?」
ヘルプについた女の子が声をあげる

「ま・・・あね、元カレ」


「え?━━━ッ、ヤケボックリに
何とかってやつ(笑)」

「それは、無い‼」
桜子は、キッパリと言い張った。

「悪いんですが桜子さんと
お話があります。
皆さん席を外していただきたい。」

田中がそう言うとゾロゾロと
女の子達はつまらなそうな顔をして
席を立った。


「加納様、何を飲みます?」
桜子が普通な客扱いで聞いて来た
のでムツとして桜祐も

「ウ━━━━ロン茶」
とつっけんどんに言い返した。

ウーロン茶?

「あ、私はジンジャーハイを」
田中がすかさず注文する。

「あ、ハイ。」

桜祐は、悠里が24歳で綺麗な女に
なっていることを知らなかった。

手際よく氷を張りテキパキと
烏龍茶とジンジャーハイを
用意する桜子を見て

何人の男に酒を作って喜ばせたの
だと嫉妬に似た苛立ちを覚えた。

桜祐の中での悠里は本を
読む時、髪をピンと括り
キャッキャ言っていた20歳に
なったばかりの悠里のままで
止まっていた。

髪を、栗色ブラウンに染め
爪はピンクのマニュキュアで

胸をはだけた絹のような肌
マーメイドドレスは、悠里の
体型を、露にしていた。


「加納様、あんまり見ないで」

「悠里変わったな‼
男はいるのか?」


チラ
「・・・男?」

田中もそばにいながら
ドキドキハラハラ

「募集中でーす。
ってマニュアルにありますから
そう伝えておきますね。」


「悠里、話がある
仕事が終わったら電話しろ‼」

桜祐は、携帯番号を、ナプキンに
サラサラサラと書いて渡した。


「桜子さんあちらのお客様が
お待ちです。」

黒服が桜子を、呼びに来た。


「加納様、ちょっと失礼します。」


「👂悠里さんのお客様は、結構
上客のようですね。
一番は、小澤史郎、小澤財閥の
若手社長みたいですよ。」

「小澤?ああ、アイツか‼」

背広をキチンと着こなし
黒黒とした髪は七三に分け
ガタイのいい体型をして
いかにもやり手の社長風な出で立ち

「なかなかの色男ですね。」

桜祐は、飛び回る桜子を見て
イライラが募って我慢出来ず
店を出た。

どうやら桜子は、人気があるらしい。


桜祐はド頭に来たが、1:00
悠里が店から出てくるのを待った。
女の子達がいかにも夜の🦋です
と言わんばかりの
ブランド物で固めた格好で、
待っ客と出て来た。

の後
1人の女性がポニーテールの
TシャッGパンで現れた。

隣にいた田中が・・・?
「悠里さんおそくシッ🙊」

突然桜祐に口を塞がれた。

「田中、車で後をつけてコイ
俺はこのまま悠里の後をつける。」

「え?あ?はい?‼アレ悠里
さんですか?」

ビックリしている田中秘書に
そう告げると
桜祐は、白いトートバックを下げ
市営らしき駐車場へ入って行く悠里
の後をつけてきた。

駐車場から出て来た白い軽自動車
は20分位の距離を運転して
月極駐車場へと入って行った。

田中の運転で桜祐もだだっ広い
駐車場に入ると悠里の車を見つけた。

「ナンバー✖✖━〇〇」

間違い有りません。
しかし店で見た大人っぽい悠里さん
とは別人ですね。


まだあどけない可愛さは
桜祐の腕の中で眠りについた
悠里そのままだった。

何故か桜祐は、安心した。
「悠里はまだ俺の悠里だ。」
そう思った。

悠里は、車の外でパパパと
着替えると髪をといて
車の中で毛布に包まり眠りについた。

「どうやら車で生活されてる
みたいですね。」

「ああ、なるほどね笑
場所を変えてたから見つからない
わけだ。よく考えたな!」


「そうですね(笑)
駐車場は、月払いですし
お風呂は、どうされてるのでしょう。」

「明日のお楽しみだな!
しかし、危ないな‼
見張りをつけよう。
とりあえず今日の見張りは
俺たちだな(笑)」

「えっ、時間外労働ですが‼」

「まあ独身だから付き合え‼
ボーナスupする。」

「はぁ、わかりました。」

初めての車中泊、悠里はこれを
4年続けたのか・・

ガォ🎶ぐが━━ᐡ- ̫ -ᐡ.。グウー
田中のンゴォォ…ングゥ…イビキ
う、うるせぇ━━━━━‼

田中のイビキが煩くて
桜祐が眠りに着いたのは
朝方だった。


悠里は、そのまま11:00迄眠り
何処で見つけたか銭湯へと
くりだした。

それからレストランへと
向かい、出てこない!

「もう2時間ですね。」

「ああ、何食ってんだ」
田中と桜祐もレストランへと
入って行ったが悠里の姿は無い‼

「尾行に気付いてまかれたか?」
桜祐と田中は、

「やられたか!」

そう思い、諦めたようで
朝から何も食べていないし
ステーキを注文した。

しかし田中が窓から悠里の車を
発見した。
裏口の隅に悠里の軽自動車は、
止まっていた。

俺らは顔を見合わせてン?状態‼
食事を終え又駐車場で待つこと
五時間、俺は田中のイビキに
やられ眠れなかった事もあり
爆睡してしまった。

「社長、社長、社長」

ゴロゴロと揺さぶられ目を覚ます
と悠里が何人かの女の子達と
裏口から出て来た。

おばちゃんも居たので
「まさか、パート?」

田中と顔を合わせ(ʘ╻ʘ)!(⊙⊙)!!

「まさかの掛け持ち‼」

悠里はキャバクラの女の子には
見せない、あどけない笑いを
パートの主婦らには見せていた。

「ばいば━━━━い
又明日ね━━ぇ♩」
楽しそうな会話の後

悠里は、又車を運転して夜の
繁華街へと消えて行った。

1ヶ月探偵をつけ見張らせたが
悠里のルーティンは、
変わらなかった。

男の影もなく又通帳には
50万が振込まれていた。



桜祐は、どうしたものか悩んでいた。
カッとなって悠里を追い出した
本気じゃ無かったとはいえ
悠里は、本気にして出て行った。

今更謝る事も出来ない
俺はライオンと呼ばれる男
猫じゃない‼


「何を悩んでいらっしゃる?」

田中が ”スタ🌿” の珈琲を
手渡しながら聞いて来た。


「あ・・ありがとう。」
ゴクッ
一口飲むとハアと溜息がもれる。

「ああ、社長探偵の契約が切れ
ました。
延長されますか?
もしそうされるなら都内の
セキュリティの整ったマンションを、
悠里様に提供された方が
安くなりますよ。」

田中は、桜祐に電卓を弾いて
見せた。


「ああ、俺のカードから
引き落としだから気にするな!」


「しかし、悠里さんに投資する
って何人か申し出てるらしいです!」

パチクリ。
「え、悠里に?つまり
それは、アレか!」

「はい、探偵の話だと‼
小澤社長は大層な入れ込みようです
悠里さんに結婚を迫って
いるとか‼」

「愛人契約の話も
毎日あるようですし、そろそろ
動かないと悠里さんも24です
婚期を逃したく無いと
おもいますよ。

花の咲く期間は決まっています
からね。」


「悠里が愛人契約すると
おもうのか?💢💢」

「いえ、思いません。
でしたら、結婚を選ばれますね!」


「小澤か‼」

「はい。1番の優良株ですね。
(-⊡_⊡)かなりの勢いで、落としに
かかってるみたいです。」


.。oOライオンのくせに、
悠里さんの事になると判断を間違う
桜祐を田中は、背中を押した。
ニャニャする顔を拳で隠し
咳払いをくりかえす。
明らかに動揺している彼に言いたい。
ライオンでしょう、シッカリ
してくださいよwと

桜祐を眺めながらしばし
ニヤニヤ


なんせ桜祐の一番秘書だ
これくらいなければ務まらない!
ライオンは、群れを守る為
戦うはず。
向こうには敵がわんさか
ライオンの女を狙っている。