「婚約者ができたんだ、」 そう言われたのは先日のこと。 いつもどうり昔から大好きなオレンジソーダの飴を口の中でカラン、カランと転がしているとガラガラと、無機質な部屋に私には出せない低音が響き渡る。 「さーや、おはよう。体調悪くない?」 「ちさとくんは心配し過ぎだよ。毎日来てくれてるし私は遅起きだからずっとちさとくんといるみたいなもんだし。」 と言うと少しちさとくんの目が細くなった。