あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

一緒にテーマパークに行った時のことが頭から離れない。


嬉しかったあの日の思い出。


でも…


いつだって思い返すと切なくなる。


あの人と、毎日でも一緒にいたいと思うのに、自分の自信のなさの上に、あの2人の存在。


僕の願いは叶うどころか、あっけなく崩れ去ってしまいそうで…


それからすぐに光平とは別れ、バイト先のスーパーに向かった。


仕事用のエプロンを着けて品出しをする。


何度も裏と店内を往復していたら、裏に引っ込んだ時誰かに背中を叩かれた。


「えっ?」


振り返ると、そこには東堂製粉所の東堂さんがいた。


「こんにちは」


東堂 慧さん、その優しい眼差し…


女性じゃなくても惹きつけられる。


穏やかな爽やかイケメンの登場に、通り過ぎる女性従業員は、みんな頬を赤らめて挨拶している。