胸のドキドキと比例するみたいに、エレベーターはどんどん上に上がってく。


お願いだから、誰か心拍数を止める方法を教えて。


「うわ…着いちゃった」


ドアの前に立って、人差し指をゆっくりとインターフォンに伸ばす。


かすかに…震えてる?


ガチャっとドアが開いたと同時に、祐誠さんが、


「待ってたよ」


って、ものすごく甘い声で囁くように言った。


たまに見てる顔なのに、改めてすぐ近くで見ると圧倒されるくらい美しい。


しかも…


視線を少し下げるとワイシャツのボタンがいくつか開いてて、胸元があらわになっている。


こ、これは見てはいけない!?


私は、そのセクシー過ぎる場所から慌てて目を逸らした。


「す、すみません」


なんで謝ってるの、私。


どうしよう…


胸の鼓動がだんだん強くなっていく。


このまま倒れて、祐誠さんに迷惑をかけないことを祈る。