あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

「さあ、どうぞ」


前田さんに勧められて、私は…


「あ、ありがとうございます。い、いただきます」


ダメだ、最高級茶葉の誘惑に負けてしまった。


榊社長が先に飲んだのを見てから、私も遠慮がちに口をつけた。


「美味しいです! 嘘みたい…こんな美味しいロイヤルミルクティー初めて飲みました」


甘すぎずスッキリとした味わいで、ちょっと大人の味がしてリッチな気分になった。


「だろ? この茶葉、前田君のご実家で販売されてる茶葉なんだ。俺も昔からずっと飲んでる」


「えっ、前田さんのご実家で?」


「はい。京都で両親が店をしています。社長にはずっと…ごひいきにしていただいて…」


前田さんって京都の人だったんだ。


穏やかで真面目な雰囲気が、京都の人と言われて妙に納得できた。


ただのイメージだけど。


大阪イコール元気なあんこさん、これも私の中の勝手なイメージ。


「すごいですね…こんな美味しい紅茶がいただけて、とても嬉しかったです。ありがとうございます」