あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

嫌なのか?って…


仕事以外で、私が付き合ってもいない男性の部屋にパンを届けるんだよね?


そんなこと…


なんか変だよ。


その時、ノックの音がしてドアが開いた。


「お待たせして申し訳ありません」


そう言いながら、前田さんが入ってきた。


もう1人の人と2人で榊社長の食事の支度を始めた。


テーブルに置かれるパンと…


これはロイヤルミルクティー?


私の大好物だ。


紅茶とミルクが程よく混ざった、ほんのり甘くて優しい香りがする。


「あ、じゃあ、私は失礼します」


ソファから立ち上がろうとしたら、


「お待ちください、美山様の分もご用意させていただきますので」


前田さんがニコッと笑った。


「いえ、私は…」


「このロイヤルミルクティー、最高級の茶葉とミルクを使っています。ぜひ召し上がってみて下さい」


そんな…


紅茶好きとしては、最高級の茶葉なんて聞いたら興味津々だよ。


今逃したらもう一生飲めないかも知れない。