あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

「あと…これから『杏』のパンを会社以外にも届けてほしい」


「えっ、ど、どこにですか?」


「俺のマンション。あそこはここより近いだろ?」


お、俺のマ、マンション?


この前バッタリ会ったあの豪華なマンション?


「あの…すみません。個人のお宅には配達はしてないんです。店長に聞いても、それは無理だと…」


「店長さんには聞かなくていい」


「で、でも、私が勝手に決められません」


「仕事が終わってれば、店の仕事じゃなくなるだろ?」


引き続き、頭が回らない。


さっきから何を言ってるんだろう、榊社長は…


「雫が仕事終わりか、休みの日に俺のマンションに来てくれればいい。2人の時間を合わせて。もちろん、パンの代金と配達料金は支払う」


「いや、ちょっと待って下さい。そんなこと急に言われても困ります」


「嫌なのか?」